大野克選手 現役引退のお知らせ
2022年03月07日
いつもヴィンセドール白山への温かいご声援、誠にありがとうございます。このたび、大野克選手が2021-2022シーズンをもちまして現役引退、退団することとなりましたのでお知らせいたします。これまでのあたたかいご支援・ご声援、誠にありがとうございました。今後の大野克選手の更なる活躍を期待するとともに、変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。
■大野克 ONO Masaru
□背番号|1
□ポジション|GK
□出身地|福井県
□生年月日|1988/10/22(33歳)
□2021年Fリーグ出場登録|3試合
□フットサル経歴|JOGARBOLA福井 ー 府中アスレティックFCサテライト ー アグレミーナ浜松 ー ヴィンセドール白山
□コメント|ヴィンセドール白山に関わるすべての皆様、いつも熱い応援ありがとうございます。私大野克は今シーズン限りで現役を引退することを決意しました。身体が大きい訳でも、身体能力が優れている訳でもなく、怪我も多い。ただ頑張ることしかできない自分がこの歳まで現役を続けることができたのは、家族や友人、職場や地域の皆さんの支えがあったからです。本当にありがとうございました。引退を決意したのは昨年の9月ごろです。コロナウイルスの影響で個人的理由により県外遠征ができなくなり、アウェーゲームのメンバー選考のテーブルから外れざるを得ない時期がありました。自分ではどうしようもない外的な要因によって、毎日必死に練習して積み重ねてきたものが途絶えてしまったものの、悔しさを抱きつつもまた頑張ろうという気持ちが湧いてくるだろうと思っていました。しかし実際にはそうした気持ちにはならず、メンバー争いのプレッシャーから解放されたことに安堵している自分がいました。自分で思っていた以上に心も身体も消耗していたのだとそこで気付きました。ヴィンセドールがFリーグのクラブとして前に進み続ける中で、情熱が尽きかけた選手がこれ以上ここにいるべきではないと思い、引退を決意するに至りました。
なかなか出場機会を得ることができず、決して満足のいくキャリアではありませんでした。メンバー発表で名前が呼ばれないことの方がずっと多かったです。本当は不満を口にしたいし、誰とも話さずすぐに帰りたい。でもそんなことをしても結果は変わらないし、腐った姿をチームメイトが見れば気を遣わせるだけで何一つプラスにならない。だから胸が張り裂けそうな悔しい気持ちは必死で隠して、仲間に励ましの声をかけて、いつも通り振る舞う。メンバー外でも試合当日は万が一に備えて用具一式を準備して会場入りして、遠征の時も出発時間まで家で待機する。これが自分の役割なのだと何度も何度も言い聞かせてきました。ここ最近は楽しさよりも苦しさの方がずっと多かったです。「下手くそ」「何で続けてるの」こんな事を言われたこともあります。もうフットサルをしたくないと思うことも何度もありました。それでも今シーズン最後までやり抜くと自分で決めました。応援してくれるサポーターやチームをサポートしてくれるスポンサーもいます。自分の「好き」で始めたはずのフットサルが、いつの間にか自分だけのものではなくなっていました。だからどれだけ辛くても、泣きたくても、途中で止まることは許されないと思っていました。本当は「つらい」と口に出したかった。「頑張って」という声を素直に受け取れず、もっと頑張らないといけないのかとプレッシャーを感じていました。そうしたマイナスの想いは全て胸の内に押し込んで、表向きはキラキラした姿の『大野克選手』を演じることに必死でした。
本当は怖かったのかもしれません。生活の大半をフットサルに費やしてきたからこそ、一たびフットサルから離れてしまえばそこにはからっぽの自分しか残らないのではないかという不安がいつも心のどこかにありました。不安や焦燥、未練といった複雑な感情たちと正面から向き合う勇気がなかなか持てず、ずっと目を逸らし続けてきただけなのかもしれません。ですが家族ができ、フットサル以外にも自分の居場所があるのだと思えるようになりました。今回の決断は家族の存在がなければできなかったかもしれません。
ネガティブな事ばかりを書き綴ってきましたが、誤解をしないでいただきたいのは、決してフットサルを嫌いになった訳ではありません。確かに辛いこともたくさんありましたが、それ以上にフットサルを続けてきたからこそ得られたものや、幸せな思い出もあります。ヴィンセドール白山というクラブのことも大切に思っています。フットサルと共に歩んできた人生です。引退した後も、きっとまたボールが蹴りたくなって、どこかのピッチに現れるかもしれません。
今まで本当にありがとうございました。